ハルート オルタネイティブ

総員傾注!これよりレーザーヤークトを開始する!

儚い羊たちの祝宴

前回「氷菓」を振り返ったので作者が同じ作品「儚い羊たちの祝宴」についての感想を書きたいと思います。

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)

この作品を読んだきっかけは作者が米澤穂信さんだというのもありますが実は3月頃の学校の模試の国語でこの話が物語文として出題されていたからです。
なんか面白いな~と読み終わってみるとなんと文末のタイトルの下に米澤穂信さんの名前が!?
ちなみのこのときの文章はこの本に載っている「玉野五十鈴の誉れ」の冒頭部分でした。

それを知り、本屋で早速探し見つけて即買ったのを思い出します。


この本には5つの物語が載っていますがその話はどれも「バベルの会」という大学の読書サークルの部員が関わるという共通性があります。サークル部員それぞれが目撃or犯した事件という設定で話が進みます。
もうひとつの物語の共通性は物語の最後の一文で物語の状況が一変すること。
そうだったのか・・・と驚くのと同時になにか恐怖を感じるのも特徴です。
5つの話はどれも素晴らしいですがここでは前述の「玉野五十鈴の誉れ」について書いていきたいと思います(ネタばれあります)。

まず中学生の主人公「純香」は中学生のころから祖母が雇った同年代の少女「五十鈴」を召使いにするところから物語ははじまります。
2人は最初はぎこちないものの、同年代ということもあり互いに心を開き、さらには自分達の読んでいる小説を互いに貸し合うまで仲がよくなります。
一緒に高校にも上がり、大学には召使いの五十鈴はさすがに上がれなかったものの純香の誘いで読書サークル「バベルの会」に参加したり、一緒に宿で暮らしたりしました。
宿で共に暮らす中で五十鈴が実は料理が下手だったことなど、万能に見えた召使いの意外な弱点が出たりして五十鈴が可愛く見える描写もありました。
そんな平穏な生活も長くは続かず・・・
純香の父方のおじが事件を起こし、純香の父は追い出され、さらに純香は自分の部屋に軟禁状態にされてしまいます。そして五十鈴は純香の召使いから外され、さらに祖母の命令で純香に毒酒を飲ませようとするなど以前の関係があとかたもなくなくなってしまった二人。
純香の母が再婚した相手との間に生まれた子が男の子だったのが更に純香を苦しませ、絶体絶命の危機を迎えます。

そんな純香のことを思いもしない祖母は待望の息子の誕生に狂うほど喜び宴会を開きますが、その時事件があり息子は死んでしまいます。
なんと息子は宴会でもらったいらない贈り物を燃やす炉に入ってしまい、閉じ込められ贈り物と共に燃やされてしまったのです。
それに腹を立てた祖母は狂って暴走。
召使いたちを祖父の剣で切りつけようとしますが途中で泡を吐いて即死。
純香は弟と祖母の死により軟禁状態から助け出されます。

祖母の暴走からか全ての召使いは逃亡し、五十鈴との再会を願う純香ですが、実は弟を燃やし殺したのは五十鈴だったのではないか・・・

という最後で物語は終わります。
事件の真相は明白ではありませんが祖母を毒酒で、純香の弟を炉で殺してしまう(殺したかは不明)五十鈴の残忍さが印象的でした。やはり大切な友人を救うためには手段を問わない、そういう五十鈴に恐ろしさと同時に強さを感じました。

模試に載っていたあらすじの部分から本を買って読み終わったとき、「この作者はすごいな・・・・」と改めて思いました。
名前で「氷菓」の作者だ!と気づいたときには試験中でもとても興奮しました(周りにそのことを話したら「たしかに面白い」と共感されたりしました)。
米澤さんのミステリーの知識の豊富さにはとても驚きを隠せません。
純香や五十鈴が読んでいた小説もマニアックなものばかり(本当にそうかは詳しくないので知らないですが)。
ミステリーの構成はとても素晴らしいです。

模試で発見して即買って読んだこの作品はとても思い出に残っています。

眼鏡男の独り言

ジオターゲティング